11月第3木曜日の18日、毎年恒例となっているボジョレ・ヌーボーが解禁されました。フランス・ボジョレ地方で2010年にとれたぶどうで作ったワイン。2010年の味わいについて、ワインコンサルタントの斉藤研一氏は「病気の発生もあったので、出来栄えは今ひとつという声も聞かれています。昨年(2009年)がとても力強いワインになったんですけれども、ことしは対照的な年といえるかもしれません。中には、果実味と酸味のバランスの取れたすばらしいものもあります。ことしは、生産者の力量と努力が問われる年といえるかもしれませんね」と話しています。解禁を受けて、百貨店などのワイン売り場がにぎわっています。2010年のボジョレ商戦は、新たな需要を開拓しようという動きが広まっている。そごう横浜店では、特設コーナーを設け、注文を受けてから、その場で瓶に注ぐという販売方法をとっている。そして、飲み切りサイズのハーフボトルも用意されている。新鮮なうちに、目の前でサイズを選んで瓶詰めしてもらえるこの方式は、普段、あまりワインを飲まない人にも人気があるという。試飲した人は「人数が少ない場合は、いいんじゃないでしょうかね」と語った。一方、円高を追い風に、低価格競争が加速しているのが2010年の特徴。1本2,000円前後が主流の中、大手スーパーなどでは1,000円を大きく下回る価格帯のものも登場している。イオンでは、ペットボトル入りのハーフサイズが500円で登場、ワンコインワインと銘打って販売されている。またイオンは、空輸コストを抑えられるペットボトルで商品をそろえ、フルサイズで1本650円というボジョレが8万本限定で販売されている。客は、「1,000円以下で買えるっていうのは、魅力ありますね」、「値段的にも安いので、一度試してみようかなと。出勤前に立ち寄りました」などと語った。さらに、大手ディスカウントチェーンのドン・キホーテは、ハーフサイズ470円、フルサイズ578円での販売を始めた。ドン・キホーテ担当者は「去年は、ほぼ即日に完売した状況。(2010年はどれぐらい仕入れた?)ことしは去年の3倍ぐらい仕入れてます」と語った。販売に力が入る中、年々減少していた輸入量も、2010年は、6年ぶりに前の年を上回る見込み。価格やサイズなど、消費者の選択肢が広がる中、市場の縮小傾向に歯止めをかけることができるのか、商戦の行方が注目される。