菅首相の退陣時期が焦点となる中、与野党で「大連立」構想への議論が活発化しているが、一方で、与野党双方から慎重論も高まっている。民主・自民両党の幹事長が、一度は積極姿勢を見せた大連立だが、その期間やテーマをめぐり、思惑の違いも浮き彫りになってきている。民主党では、仙谷官房副長官が、自民党の大島副総裁と水面下で会談し、自民・公明・国民新党も交えた連立を調整する一方、樽床元国対委員長も7日朝、自民党の菅元総務相らとの超党派の議連で、「政治空白を1日でも短くし、新しい態勢を早期につくっていく」とあいさつし、党派を超えた枠組みづくりを加速化させる考えを示した。樽床氏は「(菅首相の)退陣表明を重く受け止めて、今まだ混乱が続いているとするならば、1日でも早く、この混乱を収めていく」と述べた。しかし、こうした前のめりの大連立論には、与野党双方から慎重論が出ており、自民党の7日朝の役員会では、谷垣総裁が「どういう協力ができるかは、民主党内の動きがしっかりしてきてからだ」と発言するなど、慎重論が相次いだ。自民党の石原幹事長は「客観的に聞いていて、2対1ぐらいで慎重論が多いって感じですかね」と話した。一方、民主党内でも、「難しい。お互いの要求が簡単には折り合わない」といった見方が出ているほか、小沢元代表が、側近と協議し、「自民党の立場を考えれば、うまくはいかない」との見解で一致したということで、与野党それぞれの思惑で、ハードルが高まっている状況。