福島・浅川町の農家が、国の基準値を超える放射性セシウムが検出された稲わらを与えた肉牛42頭を、4月から7月にかけて出荷していたことがわかった。福島県によると、出荷先は東京、神奈川、千葉、宮城の1都3県で、あわせて42頭が流通したという。42頭が食べた稲わらは、福島第1原発から80km以上離れ、避難区域には指定されていない白河市で刈り取られたもので、福島県の調べでは、国の基準の70倍を超える、9万7,000ベクレルの放射性セシウムが検出された。福島県は、県内すべての農家に対して、肉牛の出荷と移動の自粛を要請するとともに、出荷先の自治体に牛肉の自主回収の指示を依頼した。また、宮城・仙台市によると、宮城県の10頭は、仙台市中央卸売市場の食肉市場に5月から7月までに出荷されたもので、そのうち2頭は、仙台市宮城野区の食肉業者や、岩手・花巻市の業者、山形・酒田市の業者のほか、東京にも出荷されているという。仙台市では、流通経路がまだわかっていない残りの8頭についても、15日に調べることにしている。