もらえると思っていた仮払い補償金がもらえない。福島第1原発事故をめぐるまさかの事態を取材しました。元気にはしゃぐ2人の男の子と、おなかの中には7月に誕生する新しい命。現在、福島・相馬市で暮らす古山さん一家。古山珠美さんは「最小限の物だけを置いて、生活している状態ですね」と語った。原発の警戒区域内の富岡町に家があるが、東京電力からの仮払い補償金がまだ支払われていないという。FNNの取材班が、珠美さんと出会ったのは4月20日。珠美さんは、仮払い補償金の説明会を訪れていた。珠美さんは20日、「今から3人目が生まれるんですけど、その足しになればいいかなと思いますけど、いつ帰れるかわからないですし、不安も尽きないです。わたしたちは、引っ越し寸前のときに地震にあってしまったので、結局、住民票がないので、瀬戸際ですね、わたしたちはね。(仮払い補償金が)もらえるか、もらえないか」と語った。古山さん一家は富岡町に新居を購入し、3月16日に引っ越す直前だった。住民票をまだ移していなかった。珠美さんは「『住民票はないんですけど、引っ越し予定で登記は済んでます』と話したんですけど、『それであれば、コールセンターなり、カスタマーセンターなりに電話して、必要な書類を添付して、記入をして、送ってください』ということだった」と語った。しかし、1カ月以上たっても東京電力からの連絡はなく、珠美さんが電話をしたという。珠美さんは「名前と住所を言ったら、タタタッてそろばんをはじくような感じで、『住民票がない古山さんですよね』みたいな話で、『対象外です』って話になって」と語った。これまで仮払い補償金は、およそ5万世帯・470億円が支払われた。富岡町に住民票を移していなかった古山さんは、対象外だという。珠美さんは、「もともと住んでいたアパートに結局いますけど、避難をしているわけですよね。新しい(富岡町の)家が、(3月)16日からもう住める状態だったんですから、避難しているというが、どこまでを避難というのか、避難所にいる方が避難なのか、新しくアパートを借りて来た方が避難なのか」と語った。新居のローンは支払いを停止しているというが、7月には新しい家族が増える古山さん一家。先の見えない不安な生活が続く。珠美さんは「マニュアルでは対応できない部分って、すごくたくさんあると思うんですよね。もう少し頭を緩やかに考えてほしいというか、枠組み(づ...