【ストックホルム＝竹石涼子、勝田敏彦】ノーベル化学賞の受賞が決まった北海道大名誉教授の鈴木章さんと、米パデュー大特別教授の根岸英一さんが、１０日の授賞式を前にストックホルム市内のホテルに到着した。　小雪が舞うなか、４日午後１０時２５分、ノーベル賞メダルがドアに描かれたリムジンで到着した鈴木さんは、黒のコート姿で妻の陽子さんに続いて車から降りた。「札幌より寒いね。ストックホルムには７回来ているけれど、大学しか行ったことがなかったので。今はゆっくり休みたいね」と笑顔で話した。　約１時間半後の５日午前０時すぎ、根岸さんも妻のすみれさんとともに到着。「３０年前、ノーベル賞を受賞した恩師のブラウン先生と一緒に来たときは、食事に夢中でしたが、今回は責任があるので。来週から緊張する行事が続くので、それまではリラックスしたい」と話した。　根岸さんは５日朝、うっすらと雪化粧した市内を散歩した。「よく眠れた。これから１週間、まずは健康で。それから私たちの役目もつつがなく」と話した。授賞式のあと大学生らとのパーティーで、受賞者や学生が飛躍を願ってカエル跳びをする伝統について問われると「なんでもやりますよ」と、笑顔で答えた。