自民党と公明党などは1日夕方、菅首相の震災復興対応などをめぐり、「政権担当能力を欠いている」として、退陣を求める内閣不信任決議案を横路衆議院議長に提出した。これに先立ち、国会では、菅首相と自民党の谷垣総裁らによる党首討論が行われた。谷垣総裁が、「菅首相で震災の復旧・復興は不可能」と退陣を要求したのに対し、菅首相は、震災復興や原発事故の収束に責任を果たしていくと、政権維持への意欲を強調した。自民党の谷垣総裁は「信頼を失われては、これは復旧・復興、あなたのもとでやっていくことは不可能だと思います。お辞めになったらいかがですか」と述べた。これに対し菅首相は、「まず谷垣総理に...、失礼、谷垣総裁に」、「与野党を超えて、どうやればこの震災を復興の軌道に乗せていけるのか。そして、原発事故を収束に向かってきちんと位置づけることができるのか。そのことだと私は確信し、その責任を果たしていかなければならない」と述べた。谷垣総裁は「あなたが党内をまとめる人徳もない、力量もない。あなたがお辞めになれば、党派を超えて、新しい日本のために団結していく道なんて、いくらだってできるんです」と述べた。菅首相は「復旧・復興していく中から、最初の危機をも含めて超えていくという、大きな目標を持たなければならないと考えております」と述べた。谷垣総裁は、「政治空白が起こるのは、与党の足元が、がたがたしているからだ」と、菅首相の党や政権運営に疑問を投げかけ、退陣を強く迫った。一方、菅首相は、「大震災ということで、場合によっては通年国会を含めて、国会の延長も考えたい」と述べ、国会の大幅な会期延長を検討する意向を表明し、政権維持への意欲を強調した。続けて討論に立った公明党の山口代表も、仮設住宅の新設やがれき処理などの復旧作業、震災担当相の任命などが大幅に遅れているなどと、菅首相を厳しく追及し、「あなたが首相を辞めるしかない」と退陣を要求した。公明党の山口代表は「あまりにも遅すぎます。スピード感に乏しい。そして、現場の切迫感に乏しい。総理、一体やる気があるんですか?」とただした。菅首相は「急ぐべきものは急ぎ、しかし、しっかり議論をしなければならないものは、議論をしていくと。そのための仕組みとして、すでに4月の早い段階から、復興構想会議をつくっていただきまして、そして、6月の末までには案を出していただく」と述べた。