菅首相は、衆議院の震災復興特別委員会で、原子力発電所の再稼働をめぐる政府の統一見解発表までの混乱について、「指示の遅れがあったのは申し訳ない」と陳謝した。自民党の高市早苗氏が、原発再稼働をめぐる混乱を念頭に、「閣内不一致」を指摘すると、菅首相は「批判はあたらない」と反論した。菅首相は「多少の私の不十分さ、あるいは指示の遅れなどがあって、混乱や、いろんなことを招いたことは申し訳ないと思いますが、物事が進められたことは、私はよかったと、このように認識をしております」などと述べた。菅首相は、統一見解発表までの混乱を陳謝したうえで、新たな安全評価の導入自体は間違っていないと強調した。また菅首相は、「国民の理解、企業の理解と協力があれば、生産活動に大きな支障は起きず、きちんと電力供給ができる」と述べるとともに、「エネルギー政策は、白紙に戻って考えざるを得ない。原子力は下げざるを得ない」と述べて、近く政府の新たな方針を示す意向を明らかにした。一方で、高市氏が、食べ物からの内部被ばくに関する質問をしている最中、菅首相が「厚生労働大臣を呼べばいいじゃないか」とつぶやき、委員長にたしなめられる場面もあった。