デフレの象徴ともいえる牛丼の値下げ合戦が、またもや始まった。大手3社は11日から1週間、牛丼を200円台で一斉に販売している。松屋は、320円の並盛を240円に引き下げた。2003年以来という、およそ8年ぶりの低価格となる。一方、吉野家も創業111周年にあわせて、110円引きのセールを展開して、並盛を270円に値下げした。今回さらに、業界トップのすき家も、280円を250円に下げて参戦し、大手3社による250円近辺でのそろい踏みとなった。牛丼大手3社では、安値競争とは一線を画す、吉野家の一人負けの状態が続いていた。吉野家は2010年9月、牛鍋丼という低価格ジャンルの投入に踏み切り、数字を伸ばしたものの、その効果は一時的なものにとどまっているのが現状。吉野家の広報部長・木津治彦氏は「今回のセールで、はずみをつけたいと思います」と語った。松屋フーズ総務部・IRグループの田中哲次マネジャーは「240円という、よりインパクトのある価格で、キャンペーンを行いたいと思いました」と語った。年明け早々、またもや値下げ競争に踏み切った各社。期間限定の体力勝負のこの競争を、1年を通じた顧客獲得に結びつけられるか。激しい戦いが始まった。