菅首相が、久々のツルの一声で法人税減税を産業界にプレゼント。しかし、財源のめどなき見切り発車に、政府の調整は難航している。今必要なのは、成長のための大盤振る舞いか、それとも健全財政のための節約か。クリスマス・イブまであと10日。胸ときめくクリスマス商戦に、2010年は、ある変化が現れていた。街の人は「ちょっとぜいたくしようかなって思います。ホテルに、いいところを取って行こうかなと思います」、「孫が生まれたから、ちょっとぜいたくに。去年(2009年)よりは。クリスマスツリーも豪華に!」などと話した。2010年のクリスマスのトレンドは「ぜいたく志向」。女性のあこがれである高級ジュエリー。東京・中央区の「MIKIMOTO」では、100万円以上もする商品が、12月に入って1日1個のペースで売れているという。さらに、あるホテルでも、1泊28万円の部屋が、すでに予約でいっぱいの状況となっている。「リーガロイヤルホテル東京」広報の山岸真弓さんは「ことしは昨年に比べますと、全体的に(予約が)上回っておりまして。若干、(景気の)回復の兆しがあるのかなと」と話した。「長引く景気低迷による節約疲れの反動」との見方もある、「ぜいたく志向」のクリスマス。一方、政府からも、例年になく気前のいい「クリスマスプレゼント」があった。菅首相は13日、「法人税を5%引き下げる」と述べ、法人税の実効税率を5%引き下げると指示した。経済同友会の桜井正光代表幹事は、「菅総理の指示ということで、実施するということにほとんど固まったと思うんですね。その方向は、非常に評価したい」と話した。また、14日夜に菅首相と面会した日本経団連の米倉弘昌会長も、「財源厳しい折から、非常にいい、理性的な判断をいただいた」と語った。しかし、5%引き下げに必要な財源1兆5,000億円のうち、5,000億円以上にまったくめどが立っていない。野田佳彦財務相は「(財源が)足りない分はどうするか、まさにこれからの調整だ」と述べた。この状況を、野党・自民党は厳しく批判した。自民党の石原伸晃幹事長は、「赤字国債を出して、この財源を手当てするのか。これは国家にとって大きな悲劇だと思います」と批判した。財源にめどが立たなくなると、見え隠れするのが赤字国債。野田財務相は「相当厳しい、ぎりぎりの努力しなければいけないと思います」と述べ、2011年度予算の新規国債発行額を44兆円以下に抑えるために、相当な努力が必...