新年度を迎え、さまざまなものが値上げした。その1つがパンやうどんの材料となる小麦。政府が製粉所に売る輸入小麦の製粉各社への売り渡し価格が、平均18%上がった。本場さぬきうどん協同組合の香川政明顧問は「非常に困っております。讃岐うどんは、おいしくて安いというのをモットーにしていますので。小麦粉が上がったからといって、価格に転嫁するのは難しいと思います」と語った。また、ガソリンの平均価格が6週連続で値上がりしているのに加え、自動車損害賠償保険の保険料も、4月から平均11.7%値上げする。4月から導入予定だった平日上限2,000円とする高速道路の新割引制度も、被災地の復興財源を捻出(ねんしゅつ)するため、見送りとなった。鳥取・米子市にある山陰地方最大の温泉地皆生温泉では、震災後、企業など団体客のキャンセルが相次いだため、新たな高速料金の割引制度に期待していたという。旅館の経営者は「すごく期待をしていたんですけど、それが義援金というか、被災地に回されると思うので、いいことだと思います」と語った。さらには、その車のタイヤも、原料となる天然ゴムの高騰で大手メーカーが値上げを発表した。これを受けて、1日から早速、店頭の販売価格を値上げする車用品店もあった。タイヤショップの店員は「7%ぐらいの値上げになっています。3月末、値上げ前に、タイヤを購入しておこうというお客様が増えました」と語った。一方、空の旅にも、値上げの波が押し寄せた。原油価格の高騰などの影響で、航空各社は4月1日から5月31日までに発券する国際線について燃油サーチャージを値上げした。日本航空や全日空など、中国行きで片道4,500円。北米やヨーロッパなどで、片道1万7,500円の燃油サーチャージがプラスされる。このほか、生活に欠かせない電気について、電力会社10社は、1月あたり33円から81円の値上げ。ガスについても、大手都市ガス4社は1月あたり11円から49円値上げをしている。そしてコーヒーについては、味の素ゼネラルフーヅが家庭用インスタントコーヒー32品の出荷価格を平均で11%アップした。また家庭用食用油も、日清オイリオグループが、原料の高騰で1kgあたり30円以上値上げしている。