菅首相に対する内閣不信任決議案について、自民・公明両党は、早ければ今週後半にも衆議院に提出する方向で調整を続けている。不信任案提出時の焦点は、民主党内からの造反者の数で、水面下の駆け引きが、さらに緊迫化している。G8サミット(主要8カ国首脳会議)から帰国したばかりの菅首相に突きつけられようとしている内閣不信任案という新たな難題。自民・公明両党は30日、幹部があらためて協議し、今週後半にも衆議院に菅内閣の不信任決議案を提出する方向で最終調整する。自民党の谷垣総裁は30日、青森市で「菅さんの政権のもとでは、復興をこれ以上進めるのは難しいのではないか。私どもが代わって、それをやるんだぞと」と述べ、政権奪取への強い意欲を表明した。一方の菅首相は30日、社会福祉法人の記念式典に出席した。その2つ隣の席に座っているのは、先日、「(菅首相の何がだめ?)全部です」と、菅首相を激しく批判し、退陣要求ののろしを上げた西岡参院議長だった。今後の政局の鍵を握る不信任案には、みんなの党や共産党、たちあがれ日本も賛成する方針。しかし、不信任案を可決するためには、社民党が賛成した場合は75人、反対した場合は81人が、民主党などから造反する必要がある。こうした中、その去就が注目されるのが、不信任案への同調を示唆している民主党の小沢元代表の動き。小沢氏は6日、「(菅首相も)一生懸命やっているんでしょうけども、『このままではいけない』という声を強くしていきたい」と述べていた。小沢氏は30日、議員会館で民主党の田中 真紀子元外相と会談し、不信任案をめぐり意見交換したとみられている。また、小沢氏に近い山岡副代表も30日、社民党の照屋国対委員長、国民新党の亀井代表と相次いで会談した。山岡氏は「認識については、若干の違いはありますけども、そういう状況になった場合には、どうしようということにおいては一致していますから」と述べた。水面下で続いているとみられる同調者の確保。午後4時ごろに会見した岡田幹事長は、こうした動きについて、「不信任案に賛成・欠席するということが、どういう意味を持つのか十分に認識されていない、そういう方が、中にはいらっしゃるようです。党として厳正に対処すると」と述べた。また、枝野官房長官の代理で会見した仙谷官房副長官は「政権が代われば何とかなる、今回の原発事故というのは、そんな簡単な話ではない」と述べた。はたし...