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心の扉 開いて待てば 水琴窟(大津市・延暦寺)
坂と階段を、10分はのぼりつづけただろうか。 緑の木立を抜けると、朱塗りの阿弥陀堂が現れた。手前に、砂利を敷き詰めて大きな石を並べた小さな庭園。看板に、こう書いてあった。 「心 静かに妙音をお聞きください」 庭の真ん中に立ってみる。聞こえてくるのは虫や鳥の声だけ。さらに耳を澄ませると、砂利の間から音が聞こえてきた。木琴のようであり、鉄琴のようでもあり、ガラスがぶつかり合っているようでもあり……。 大津市の比叡山延暦寺。砂利の下にあるのは、水がめを逆さにして埋めた水琴窟(すいきんくつ)だ。下にたまった水に水滴が落ちて、音が響く。 4年前、両親を納骨している三重県の女性から「何か供養になる物を寄進したい」と相談された阿弥陀堂輪番の小森秀恵さんが、水琴窟を勧めた。 天台宗の修行「座禅止観」では、自分の呼吸を数えて集中する方法がある。例えば、100まで数えると、また1から。 「初心者は100までよめない。30ぐらいで迷子になってしまう。ふだん呼吸を意識していないからです」と小森さんはいう。 静寂のなか、心を静めて地下からの音に耳を澄ます。水琴窟の響きを聞くことは、まさにその境地に相通じるという。■染みいる音色 秩序と無秩序の妙 水琴窟(すいきんくつ)は江戸時代、庭園技術として生まれたとされる。しかし、誰が発明したのかなど、なりたちははっきりしない。 明治、大正、昭和と時代が進むにつれて姿を消した。1959年には「全国で確認できたのは2カ所のみ」という論文が発表された。83年7月、朝日新聞のコラム「天声人語」が水琴窟をとりあげた。 「ぽぽぽん、ぽん、ぽぽんと静かな音が地中からかすかにきこえてくる。こんこんとくぐもった金属音にもなる。鍾乳洞で水のしたたる音をきくような、涼気がある」 これでブームに火がついた。各地で発掘されたり、復元されたり。水琴窟の復元や保存、調査研究などをしている「日本水琴窟フォーラム」代表の中野之也さん(85)は「新しいものも含め、現在、数千はある」とみる。 中野さんは放送局で音響関係の仕事をしていた。各地の水琴窟の音を録音したCDをつくったが、取材に来た英国の記者に「我々には雨だれと同じ雑音」と言われ、驚いた。「自然の音を聞いてきた日本人は、似たような音の記憶をたどれるのでしょう」 ◇ 音階もリズムも不規則。それなのに、なぜか心に染みてくる。...
Video Length: 61
Date Found: July 27, 2010
Date Produced: October 06, 2008
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