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舞妓のおこぼ 　初冬の日が暮れかかり、お茶屋の軒先に赤いちょうちんがともるころ、舞妓（まいこ）たちが格子の影をさえぎりながら石畳の道を急ぐ。花かんざしに「だらりの帯」。あでやかな花街に、高さ３寸５分（約１０センチ）のげたがたてる小気味良い音が響く。　げたはキリ製で「おこぼ」と呼ばれる。地元の人は「甲堀」や「木履」の字をあてる。「こっぽり」と呼ぶ人もいる。　舞妓としてデビューする「店出し」のときには、底を大きくくりぬいたなかに鈴が付けられ、歩くたびにかすかな音を立てる。鈴は年長になると外される。「かわいらしい音が聞かれへんようになると、さみしおすね」。舞妓３年目の杏佳（きょうか）さん（１９）はそう言ってほほえむ。 Channel: Asahi Category: News Video Length: 65 Date Found: November 20, 2010 Date Produced: October 11, 2016 View Count: 1