菅首相の退陣時期をめぐり、20日夜、菅首相と政府民主党の幹部協議で、激しいやり取りがあった。協議を受けて、21日朝から与野党が水面下の協議を続けているほか、菅首相と政府民主党幹部の協議が、断続的に続いている。菅首相が、退陣の条件として、再生可能エネルギー買い取り法案成立に強いこだわりを見せたことで、国会会期、退陣時期ともに見えない、異常な事態に陥っている。国会の会期末が22日に迫る中、午後の与野党幹事長会談で、民主党の岡田幹事長は、最長で10月までの4カ月程度、最短で50日程度の会期延長を申し入れる見通しだが、野党側は、再生可能エネルギー買い取り法案については、菅首相の延命策につながるとの懸念を示していて、菅首相が求める文書による確約に応じる可能性は低いとみられている。枝野官房長官は「できるだけ野党のご理解をいただいて、円満に延長を決めたいということで、幹事長にご努力をいただくと」と述べた。自民党の田野瀬幹事長代理は「(谷垣総裁は)政府与党が物事を決められないのが、問題の政治混乱の根源である」と述べた。公明党の山口代表も「議論はいいが、結論はあわてて出すものではない」と述べ、文書での確約には否定的。岡田幹事長は21日朝も、自民党の石原幹事長と妥協点を探る折衝を続けている。与党側は、21日中に会期延長を決める衆議院本会議を開きたい意向で、午前から首相官邸に岡田幹事長、輿石参議院会長ら執行部が入り、菅首相へのぎりぎりの説得工作を続けている。