宮城県の観光推進キャラクター「むすび丸」が登場するアニメで、むすび丸や伊達政宗らを担当する声優のオーディションが３１日、仙台コミュニケーションアート専門学校であった。応募した約２００人のうち書類審査を通過した３２人が参加。なごやかな雰囲気の中、それぞれの持ち味をアピールしていた。「むすび丸よ、思い出すのじゃ。おぬしの本当の力を……」　「お、思い出した……それがおいらの生きる道」　レコーディングスタジオに、伊達政宗の低い声に続き、むすび丸のかわいらしい声が響いた。　３２人は、県内に住む小学生から４０代までの専門学校生や劇団員、声優を目指して勉強している人たち。台本を手に、キャラクターの声を思い思いに演じた。　仙台市太白区の小３高木沙都さん（８）は「むすび丸はかわいくて元気なイメージ。緊張したけど楽しかった」。伊達政宗の声に挑戦した名取市の劇団員三浦任博さん（２２）は「生まれも育ちも宮城なので、県内の人材で作るアニメに関心があった。自然に声が出せた」と振り返った。　「アニメむすび丸」は県発のアニメを発信しようと企画され、制作陣はほとんどが県内のクリエーターだ。「実は声優が一番の不安材料だったが、参加者たちを見てこれなら大丈夫と安心した」と大庭秀昭監督（５０）。　オーディションの結果は２月上旬に発表され、今回挑戦した３２人の中から約１５人が選ばれるという。　アニメのストーリーは、江戸時代から現代にタイムスリップしてきたむすび丸が、世直しを図るというもの。アニメは３月下旬ごろに地上波で放映予定で、東京国際アニメフェアにも出展するという。　大庭監督は「宮城の名所を舞台にしているので、地元の人は親近感を持って見てもらえるはず。楽しみにしていてほしい」と話していた。（安仁周）