高校球児たちの青春を描いた映画「ひゃくはち」の試写会が０８年８月５日、東京都内で行われた。出演者の市川由衣さん、森義隆監督らとともに、特別ゲストとして、ＰＬ学園時代５度の甲子園に出場し高校野球を沸かせた投手、桑田真澄さん（元パイレーツ）も訪れ、「青春時代を思い出して胸が熱くなりました」とエールを送った。（アサヒ・コム編集部）　「ひゃくはち」の主役は、多くの野球部員を抱える甲子園常連校の補欠部員だ。レギュラーになれなくても、高校生活で最後の大会となる夏のベンチ入りを目指して、一生懸命に練習に取り組み、ライバルと激しくポジション争いを展開する補欠部員たち。これまでの映画やドラマでは、あまり描かれることのなかった設定だが、監督自身が元高校球児ということで、恋や友情に悩みながらも野球に打ち込む高校生たちの等身大の姿がいきいきと描かれている。　桑田さんは、「息子も甲子園を目指していますが、みんなと力を合わせて頑張ってほしい。野球はいい面もあるけど、レギュラー争いなど残酷な面もある。それでもやっぱり心の中では仲間とつながっているんです」と熱く語り、自身の高校時代について、厳しい練習にくじけそうなときは「練習が終わったとき、乗り越えたときのことをいつも考えながらやっていた」と振り返った。また、「清原という偉大な人物とチームを引っ張れたことは幸せ」とも。　会場がもっとも沸いたのは「実は高校時代に彼女がいた」という桑田さんの発言。「デートする時間がないので、１日５分だけ顔を見たりしていた。大会期間中はほとんど会えなかった」という驚きのエピソードを明かし、会場を大いに盛り上げた。　映画より一足早く開幕した夏の全国高校野球選手権大会は、甲子園球場で連日熱戦が繰り広げられている。試写会に訪れた観客からは「感動しました。明日からは、ピンチに伝令として監督の指示を伝える控え選手や、アルプススタンドから声をからして応援する補欠部員たちの姿にも注目します」という声が聞かれた。　映画「ひゃくはち」は８月９日より、テアトル新宿ほかにて全国公開される。