2011年の春闘が事実上、スタートした。日本経団連と連合が、雇用や賃金をめぐって、19日朝、トップ会談を行った。日本経団連の米倉弘昌会長は、「労使一丸となって、グローバル競争に立ち向かっていくための取り組みが、これまで以上に求められていると思います」と話した。連合の古賀伸明会長は、「働く者の雇用不安、将来不安を払しょくし、積極的に人への投資を行う。人材を育てることが極めて重要だと思います」と語った。連合は、2011年の春闘で、年齢や資格に応じて、毎年自動的に賃金を増やす定期昇給を確保したうえで、ボーナスや手当てなどを含めた給与総額を、今より1%引き上げることを要求している。これに対して、経団連は、企業の業績が回復していることから、定期昇給の維持には理解を示しているものの、円高やデフレの継続など、景気の先行きに不透明感が強いことから、連合が求める給与総額の1%引き上げには、難色を示している。春闘は、大手企業が回答する3月にヤマ場を迎えるが、交渉は難航することが予想される。