土俵の鬼、第45代横綱・若乃花が82年の人生に幕を下ろした。おいの現・貴乃花親方は、訃報(ふほう)から一夜明けて、「強靱(きょうじん)な方でしたので、まさかと思いました。入門する以前から雲の上の存在であって、近くて遠い存在の方でしたね」と話した。初代・若乃花は、現役時代、10度の優勝を果たし、栃若時代を築き上げた。引退後は、二子山親方として、19人の関取を育て、理事長にも就任した。理事長最後の仕事は、おいの貴乃花への賜杯授与で、立派に育った孫弟子の姿に鬼と呼ばれた男が涙を流した。貴乃花親方は「最初で最後の恩返しかなと思ってはいます」と話した。今や貴乃花も弟子を育てる立場で、2日の第2回グループ連合げいこでも、厳しい指導でおじの教えを実践していた。貴乃花親方は「弟子の育成に関しては、たけていらっしゃるし、猛げいこでご自分がならした方ですから、それは引き継いでいかなくてはいけない。次へつなげていくため、弟子を育てようと思います」と話した。貴乃花親方はけいこ後、弔問のため、花田勝治さんの自宅を訪れた。悲しみを乗り越えて、土俵の鬼の伝統を次の世代へと伝えていく。