福島第1原発の高濃度の汚染水を処理する浄化システムで、新たなトラブルが発生した。東京電力は12日、試運転を始める予定だったが、4系統のうち1系統で、水が流れなかったと発表した。東京電力は午前11時すぎ、会見で「ポンプは回っておりますけれども、何らかの流路の閉塞(へいそく)があるんではないかというふうに見ています」と発表した。東京電力によると、汚染水の浄化システムのうち、放射性物質を除去するキュリオン社製のセシウム吸着塔でポンプを動かしたところ、4系統のうち1系統で、ほとんど水が流れなかった。配管が詰まっているなどの可能性があり、当初15日に予定していたシステムの本格稼働は、ずれ込む見通し。東京電力は、アレバ社製の除染装置の試運転を先行させるかなどについて、検討を行っている。一方、東京電力は、2号機・3号機からの高濃度の汚染水の集中廃棄物処理施設への移送作業で、水位の状況を調査するために、午後5時ごろから、3号機からの移送を一時中断すると発表した。