トヨタ自動車は２日、小型ミニバン「ウィッシュ」をフルモデルチェンジし、全国のネッツ店で発売を開始した。主力モデルは５ナンバーサイズを維持。旧モデルのコンパクトさを保ちつつ、よりスポーティな外観になり、広い室内や新開発のシートによる快適さも実現したという。（アサヒ・コム編集部　藤坂樹理）　ウィッシュは３列シート７人乗りのコンパクトなミニバンで、ホンダ・ストリームに対抗して２００３年に発売、累計５５万台を売る人気車種になっている。　新モデルのエンジンは１．８Ｌと２Ｌ。いずれも、吸気バルブの開閉をきめ細かく制御する「バルブマチック」技術を採用する。ノアやアベンシスに採用されているが、１．８Ｌ版はこれが国内デビュー。エンジンの効率化により、燃費はリッター１６キロ（１．８Ｌ／２ＷＤ車）を実現した。　フロントビューはより精悍になり、トランスミッションは全モデルに７速ＣＶＴを採用する。さらにグレードによっては、ステアリングを握ったまま変速操作ができるパドルシフト（１．８Ｓ、２．０Ｚ）、回転数を高めに維持するＣＶＴスポーツモード（１．８Ｓ）、ステアリングのパワーアシストを抑えてダイレクトな操舵感を実現するダイナミックスポーツモード（２．０Ｚ）を設定している。「ミニバンのイメージを覆す走りをめざした。家族で使うにも便利だし、１人で走りを楽しむこともできる」（開発にあたった大井敏裕チーフエンジニア）という。　環境への配慮では、運転の省エネ度を採点する「エコ・インジケーター」をインパネに表示し、エアコンの利きやアクセルのレスポンスを抑えめにする「エコドライブモード」も全モデルで設定できる。　１．８Ｌ、２Ｌとも５ナンバー、３ナンバーの両サイズがあるが、５ナンバー車でもライバルのストリームより室内は広い。ただ、旧モデルとはあまり変わらず、３ナンバー車も同じ広さだ。　一方、荷室は幅が９５ミリ広がり、３列シートに全７人が乗っても１８６リットルのスペースを確保。ゴルフバッグを横置きで収納できる。２列目シートまでの使用なら、大型スーツケース４個を載せられるという。　コンパクトな車体に広さと快適さ、スポーティな走り……。いろいろな目標を詰め込みすぎた観もある新型ウィッシュ。価格も１８４万円からと抑えめで、トヨタは「幅広いユーザーに受け入れられるはず」（一丸陽一郎専務）と自信をみせる。販売目標...