中国は1日、共産党の創立90周年の記念日を迎え、各地で祝賀イベントが開催されている。この日に向け、中国政府は、共産党の宣伝活動を大々的に展開してきたが、国民の間には冷めた見方もある様子。胡錦涛国家主席は、人民大会堂で演説し、「(中国共産党創立以来)中国人民は民族独立、人民解放の栄光ある道を歩み、(わが党は)国と人民が豊かになる社会を実現した」と述べた。この日に向けて、政府は周到な準備を行ってきた。共産党のPR映画「建党偉業」を制作したほか、半月ほど前からは、町中に赤い看板が急増した。そして、特に力を入れた取り組みは、「紅歌」という毛沢東時代の革命歌。住んでいる地区や職場単位で組織された「にわか合唱団」が、連日公園などで、この共産党賛歌を熱唱する。しかし、政府主導のキャンペーンに冷めた見方も出ている。中国法政大学教授は「(政府は)革命歌を歌うように鼓舞するが、革命はさせない。建党偉業の映画を見るように言うけど、新しい党はつくらせない」と語った。大学教授のこのスピーチがインターネットに投稿されると、「よくぞ本音を言ってくれた!」、「力づけられる!」などの書き込みが殺到した。しかしサイトは、すぐに閉鎖されてしまった。格差の拡大や、言論の自由など、すべての矛盾を覆い隠すような赤一色のキャンペーン。90周年を迎えた共産党が自分たちの生活を本当に改善してくれるのか、国民は鋭いまなざしを注ぎ始めている。