南米ペルーの大統領選挙で、注目の決選投票が日本時間5日夜に投票を迎える。割れんばかりの歓声に応えているのは、フジモリ元大統領の長女、ケイコ・フジモリ国会議員(36)。5日に行われる大統領選決選投票で、ペルー初の女性大統領を目指す。有権者の3分の1を占める首都リマで、圧倒的な支持を得ているのが、ケイコ候補。ケイコ氏は「途中経過がどうであれ、最終結果が意味を持つのよ」と述べた。ケイコ氏は、公約として貧困対策を強調。リマ郊外のスラム街でも、あちらこちらでケイコ氏を支持するオレンジのペンキが施されている。ケイコ氏支持派は「経済対策を重視してくれると思うから、ケイコに投票するわ」と話した。また、在任中の人権侵害などで収監されている父、アルベルト・フジモリ元大統領については、恩赦する可能性を否定しているが、有権者の中に根強い反発もあるため、選挙戦後半では、父親の功績には触れなかった。ケイコ氏不支持派は「父親と同じ考えを持っていると思うし、同じことが繰り返されると思うので、支持しない」と述べた。ケイコ氏に対抗するのは、オジャンタ・ウマラ元陸軍中佐(48)。フジモリ政権時代の強権政治を批判し、有権者に訴える。ウマラ氏は「過半数を大幅に超え、勝利することは確実だ」と述べた。資源開発の進展を背景に、高い経済成長を達成しているペルー。リマには高層ビルが立ち並ぶが、この好景気に取り残された人口の3割を占める貧困層の票は、両候補に分かれており、投票直前の世論調査では、両者の差は1〜2ポイントと拮抗(きっこう)。注目の決選投票は、接戦のまま、日本時間5日夜に投票を迎える。投票の締め切りは日本時間6日午前6時だということだが、大接戦のために、大勢の判明はやや時間がかかりそうだとの情報も入っている。