トラブルが相次ぎ中断していた福島第1原発の汚染水の浄化システムで、21日から試験運転が再開された。汚染水浄化システムは、アメリカ製の装置でのトラブルに続き、21日朝にはフランス製の装置でポンプの不具合が発生し、本格運転の中断が続いていた。東京電力は、装置を一部入れ替えるなどして、21日午後から高濃度の汚染水を使い、試験運転を再開した。今後、2〜3日で本格運転に移りたいとしているが、システムにこれ以上トラブルが起きた場合、1週間余りで汚染水が外部に漏れ出すおそれがある。東京電力は、汚染水の増加を抑えるため、原子炉への注水量を減らしたほか、雨水の浸水対策を進めている。また、2号機の原子炉建屋では、二重扉を全開にした結果、100%に近かった湿度が50〜65%まで下がったという。ただ、1時間あたり42ミリシーベルトの高い放射線量が計測されていて、東京電力では、22日から、遮蔽(しゃへい)対策を行ったうえで、作業員による水位計の設置作業などを始めたいとしている。