福島第1原子力発電所で増え続ける高濃度の汚染水の処理問題で、浄化システムの試験稼働が次々に行われている。15日は、特殊な薬剤で放射性物質を取り除く装置の試運転が始まる。15日午前11時すぎの会見で、東京電力は「準備が整い次第、アレバによります除染装置の試運転を行う予定でございます」と話した。15日に試運転を行うのは、特殊な薬剤を使って放射性物質を沈殿させるフランス・アレバ社の除染装置で、単体で動かしてチェックしたあと、アメリカ・キュリオン社のセシウム吸着装置と組み合わせた試運転も行うことになっている。東京電力は、17日には浄化システム全体の本格的な運用を始めたいとしている。また、原発事故の賠償金の支払いに充てる資産売却について、東京電力が東京・杉並区にある「東京電力総合グランド」を、地元の杉並区に売却する方向で協議を進めていることがわかった。このグラウンドは、野球場やテニスコートを備え、東京ドームと同じくらいの広さがある。一方、原子力安全・保安院所管の独立行政法人「原子力安全基盤機構」が2008年、福島第1原発3号機で検査ミスをしていたことがわかった。3号機の圧力容器の安全弁を検査した際、加圧不足を見逃し安全だと判定したが、その後、東京電力側からミスを指摘され、再度検査して安全を確認したという。