先週末のG20(20カ国財務相・中央銀行総裁会議)を受け、注目された東京外国為替市場だが、影響は限定的で、25日午前は1ドル = 81円台前半での小幅な値動きとなっている。G20では、自国通貨を安値に誘導する「通貨安競争」に自制を求める声明がまとまったが、25日午前の取引は、1ドル = 81円台前半での様子見ムードとなっている。市場では「具体性に欠ける」との声もあるほか、アメリカ経済の先行き不安が根強いのが現状。為替相場の過度な変動の監視を確認したG20だが、市場関係者からは、円高に歯止めをかける効果は限定的との声が上がっている。G20の声明では、「為替レートの過度な変動や、無秩序な動きを監視する」との文言が盛り込まれ、野田財務相は終了後の会見で、今後も必要に応じて、介入を含め断固たる措置をとるとの立場を強調した。一方で声明では、自国の通貨を安値に誘導する「通貨安競争」には自制を求める内容となっていることから、日本単独の為替介入は実施しづらくなったとの見方がある。こうした中、主要上場企業の経常利益は、1円円高が進むと1,345億円減少するという試算も出ている。急速なドル安の流れは一服したとはいえ、円が買われる傾向は依然続いており、今後介入に向けて、政府・日銀が難しい判断を迫られることもあるとみられる。