いよいよ花粉の季節。2011年は、東海地方や近畿地方の一部など、地域によっては飛散量が2010年の10倍以上とも予想されており、小売業界の花粉症商戦も熱を帯びています。各社の取り組みを取材しました。花粉がつきやすい、じゅうたんやカーテンには掃除機、外に干したくない布団には乾燥機。さらに、ムズムズするのどや鼻にはスチーム吸入器まで。東京・千代田区のビックカメラ有楽町店本館では、これまで、それぞれ別の売り場で販売していた花粉対策商品を1カ所に集めた。客は「きょう見て、びっくりしました。1カ所に集まってないと、たぶん、わたしなんかはわからないと思います」と話した。一方、東京・豊島区の東武百貨店池袋店では、対照的な試みが行われている。店員が、客を花粉対策商品が販売されているさまざまな売り場に案内する、ツアーの準備が進められている。眼鏡売り場では、ツアー担当者が「これはどういう特徴があるんですか?」と尋ねると、売り場担当者は「カバーがついておりますので、横から(眼鏡を)おかけになったときに、花粉が入りにくい」と説明し、ツアー担当者は「そのへんは商品の手配、ぜひよろしくお願いします」と話した。実際のツアーでは、お勧めの商品を体験することができる。また紳士服売り場では、花粉がつきにくく、落ちやすいコートを販売するなど、さまざまな売り場で、花粉シーズンをできるだけ快適に過ごすための商品をラインアップし、客を待ち受ける。池袋東武販売促進部の下島博美さんは「まずは、その商品が置いてある売り場をよく覚えていただければというふうには思います。百貨店ならではの商品ということで、商品をセレクトしました」と話した。花粉の本格的な飛散を直前に控え、花粉特需に各社の熱い視線が注がれている。