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波のごとく 歌のごとく 三千院の声明(京都)
雅楽の調べに風の音も消えた。紫の衣の僧侶が1人ずつ、足音もなく堂内に入って来る。 緑につつまれた京都・大原の三千院。年に1度、5月30日に開かれる「御懺法講(おせんぼうこう)」の2日前、リハーサルにあたる「総習礼(そうしゅらい)」が開かれていた。 御懺法講は1157年に後白河法皇が始めた。何度か中断されたものの、1979年に復興した。「懺法(せんぼう)は自らの罪をざんげすること。むさぼり・怒り・愚痴の『三毒』を除き、心を清らかにして往生を願います」。三千院の辻山堯英(ぎょうえい)総務課長(36)はいう。 そこで僧侶は、「声明(しょうみょう)」と呼ばれる独特の節をつけた教典を唱える。「調声」と呼ばれる導師に続き、8人の僧侶が声をあわせて唱え、繰り返す。三千院の天台宗のほかにも、真言宗などさまざまな宗派にある。 大原は天台宗の声明の聖地だ。平安時代後期、僧侶、良忍(りょうにん)がここに住み、声明を集大成した。専門道場が設けられた「来迎院(らいごういん)」もある。三千院をはさむように流れる呂川(りょせん)と律川(りつせん)の名は、「ろれつが回らない」という言い方のもとにもなった声明の音階「呂律(りょりつ)」にちなむ。 総習礼は、本番と同じように2時間近く続く。僧侶たちの低い声がひとつになり、波のようにうねった。まるで歌のようだ。似た曲を、どこかで聞いたような気がする。■わたしの祈り 届きますように 「これを聞いて下さい」 大谷大学名誉教授の岩田宗一さん(76)が、天台声明(しょうみょう)と、能楽「羽衣」、そして平家琵琶の一節を録音したテープを再生してくれた。ゆったりした単調な旋律が似ている。 「声明は日本の音楽の源流の一つ。能の謡も平家琵琶の音楽も、声明から曲の構成法を採り入れたといわれています」 インドで生まれた声明は仏教とともに日本に伝わり、口伝で受け継がれてきた。大原には9世紀半ば、天台座主を務めた僧侶、円仁が持ち帰ったとされる。「平安時代の日本には、当時のヨーロッパと比べてもひけをとらない、仏教音楽の理論があったのではないでしょうか」 ◇ 民族音楽に詳しい音楽評論家の藤井知昭さん(77)は「声明と似た祈りの『歌』は、古くから世界中で採り入れられてきた」と話す。 中国、韓国、インドなど、アジアの各地に、声明に似た「音楽」が今もある。イスラム教徒が唱える...
Video Length: 77
Date Found: July 27, 2010
Date Produced: October 06, 2001
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