クリント・イーストウッド監督「チェンジリング」（２月２０日公開）主演のアンジェリーナ・ジョリーが３０日、東京都内で会見した。昨年、双子を出産して話題を呼んだジョリーは、幼子の失跡に悲嘆する母を熱演した。「自分の身に起きたら…」。幸せな実生活が頭をかすめ、当初、この悲劇への出演を断ったと明かした。（アサヒ・コム編集部）■子どもへの愛に共感　別作品の宣伝があった夫ブラッド・ピットとそろって来日したが、この日の会見はジョリー１人。来月発表の米アカデミー賞では、それぞれ主演男優、主演女優賞候補にあがり、今回の「競演」はいっそう話題に。　「２人の子が生まれたし、２人ともノミネートされたすばらしい年。日頃、子どもたちに映画の話をしないので、私が（声優をした）『カンフー・パンダ』にしかたずさわっていないと思っているみたい」と笑う。　物語は実話にもとづく。１９２８年、ロサンゼルスで９歳の男の子が行方不明に。５カ月後、イリノイ州で発見され、母クリスティン（ジョリー）のもとに。実は別人だが、警察は彼女の訴えを聞かず、失態を隠すため精神科病院に入れる。そこには、警察を怒らせたため、収容されてしまった人々がいた。　「当時の聴聞会の資料や裁判記録、新聞などを調べた」と言う。だが、役柄に生命を吹き込んだのは「朝起きた時、仕事から帰った時…。毎日、子どもといられるだけで幸せ。すべてを失っても、子どもたちさえ健康で無事ならいい」というクリスティンへの共感だろう。　ピットから「クリスティンと、君の母は似ているね」と、言われたとか。「２年前に亡くなった私の母は、優しくて声も小さかったけれど、子どもを守るための強さを秘めていた」。撮影中、その母の写真をバッグにしのばせていた。■「正義のため、私も闘う」　イーストウッド監督の作品に出られることに興奮し、少女のように喜んだ。「優雅で偉大なリーダーとして、周囲に示唆を与えてくれる」。だが、監督は１回撮りを好むことで知られる。「最初はショックを受けた。しっかりと準備や宿題をやっておかなくてはならなかったし、１秒１秒大切に臨んだ。でも、私の役は感情的な部分が多いので、何度も撮り直すより、よかった」　脚本を読んだ当初、出演を断った。子どもが失跡する物語を、自分の生活に思いをはせてしまったからだという。　だが、そんな迷いは消えた。　「クリスティンは、私の中では...