自民党と公明党が今週中にも菅内閣への不信任決議案を提出する方針であることを受けて、政局の焦点は、民主党内でどれだけ同調者が出るかに移っている。自民党の谷垣総裁は29日、菅首相の原発事故対応などを批判し、内閣不信任案提出への意欲を示した。自民党の谷垣総裁は「野党としては、必ずその責任を果たして勝負を挑んでいかなければならない」と述べた。これに対し、民主党の岡田幹事長は、不信任案の否決に自信を示した。民主党の岡田幹事長は「(不信任案が)出てくれば粛々と否決して、早く次の局面に行きたい」と述べた。菅首相は29日、公邸に枝野官房長官らを呼んで情勢を分析し、政権批判を繰り返す小沢元代表や鳩山前首相らとの会談についても意見交換したものとみられる。不信任案が否決された場合でも、与党から多数の造反が出れば、菅首相の求心力はいっそう低下することになるため、安住国対委員長は、党内で同調を模索する動きをけん制している。民主党の安住国対委員長は「政権交代、民主党で戦った議員としては(不信任案への同調は)有権者の皆さんに対して、これを裏切ることになりますし」と述べた。今週、国会は与野党の攻防に民主党内の「反菅勢力」の動向が加わり、緊迫した局面を迎えるとみられる。