トラブルが相次ぎ中断していた福島第1原発の汚染水の浄化システムで、21日昼すぎから試験運転が再開された。東京電力は会見で「水処理システムを起動させておりまして、12時30分ごろ(処理水の量が)定格容量に到達いたしております。(試運転は)この2〜3日中には、終わるものというふうに考えています」と発表した。汚染水浄化システムは、アメリカ製の装置で相次いで発生したトラブルに続き、21日午前には、フランス製の装置で薬剤の濃度を調整するため、水を流すポンプに過剰な負担がかかったことから、試験運転が一時停止し、システムの本格運転の中断が続いていた。東京電力は、装置の一部を入れ替えたり、調整するなどして、昼すぎから高濃度の汚染水を使い、試験運転を再開していて、今後2〜3日で効果などを見極めたうえで、本格運転に移りたいとしている。汚染水の貯蔵施設はほぼ満杯で、システムにこれ以上トラブルが起きた場合、汚染水が1週間余りで外部に漏れ出すおそれがある。東京電力は、汚染水の増加を抑えるため、原子炉への注水量を減らしたほか、東北地方が梅雨入りする中、建屋に土のうを積むなどして雨水の浸水対策を進めている。