東京電力の株主総会が開かれ、福島第1原発の事故を受けて出された「脱原発」を求める議案は、反対多数で否決された。一方、株主からは、経営陣の責任を追及する厳しい声が相次いだ。株主からは「どう責任をとるのか聞きたかった」、「できれば原発をやめてほしい。(でも)代替できるものが明確じゃない」などといった声が聞かれた。過去最多となる延べ9,309人の株主が出席し、過去最長となる6時間9分にも及んだ東京電力の株主総会は、株主から「民間企業で原発を担えるのか」、「企業体質を直さないかぎり、何度でも事故は起こる」、「役員報酬を賠償に充てるべき」といった経営陣の責任を追及する発言が相次いだ。また、議事進行が強引だとして不信任動議が再三出され、否決とされるたびに、騒然とする場面も見られた。株主から出された「脱原発」を求める議案は、金融機関など大株主の反対で否決されたが、例年5%程度の賛成票が8%だったということで、今後、原発の再稼働をめぐる議論にも影響を与えるものとみられる。