東京電力は、福島第1原発で増え続ける汚染水を浄化するシステムについて、17日からの本格稼働を目指し、16日未明から全体の試運転を開始した。東京電力は、アメリカ・キュリオン社のセシウム吸着装置と、フランス・アレバ社の除染装置を組み合わせた試運転を終えて、16日午前0時20分ごろから、淡水化装置なども含めた浄化システム全体での試運転を開始した。東京電力では、17日中にはシステムを本格稼働させ、実際に高濃度の汚染水の浄化を始める方針だが、当初の計画と比べると2日遅れていて、これ以上準備が滞れば、汚染水が6月末にも海に漏れ出すおそれがある。東京電力が新たに公開した3号機の原子炉建屋内部の映像では、地下に続く階段に汚染水がたまり、緑色に見える水面が、地下1階と1階の間の中間階にまで迫っている様子が見てとれる。一方、東京電力は15日、1号機の建屋近くで、50代の作業員がクレーンの操縦席でマスクを外し、喫煙していたことを明らかにした。検査の結果、内部被ばく量は0.24ミリシーベルトだったということで、東京電力は「健康上問題ない」としている。敷地内は、休憩所を除いて喫煙は禁じられており、作業員は「気が緩み、マスクを外し吸ってしまった」と話しているという。