菅首相が28日の民主党両院議員総会で、「脱原発解散」を示唆する発言を行ったことに対し、野党からは「不見識だ」などと、厳しい批判の声が上がっている。総会で、2度繰り返し「エネルギー政策が選挙の最大の争点になる」と強調した菅首相だが、党内では、ますます孤立感が深まっている。菅首相の発言をめぐっては、民主党の岡田幹事長が、「解散などあるはずがない。被災地から見れば方向は違う」と一蹴(いっしゅう)するなど、党執行部からも、くぎを刺す発言が相次いでいる。また枝野官房長官は、29日午前の記者会見で、「発言を解散ととるのは深読みではないか」と、事態の沈静化に努めている。29日午前9時半ごろ、自民党の逢沢国対委員長は、「もう辞意を表明した総理が、解散・選挙に触れるということ自体、大変ゆゆしいことだと、不見識だと」と述べた。一方、29日朝の自民・公明両党の幹部協議では、菅首相の発言への批判が噴出した。松本復興相が28日、「3月11日から、民主党も自民党も公明党も嫌いだ」と発言したことでも、菅首相の任命責任を問う声が上がっており、国会審議は視界不良の状況に陥っている。