イタリアで原発再開をめぐり行われた国民投票は、日本時間13日夜に締め切られ、投票率が50%を超えて成立した。反対多数は確実で、推進派のベルルスコーニ首相も、早々と脱原発を宣言した。日本時間13日午後8時ごろ、ベルルスコーニ首相は「わたしたちは、原発と永遠にサヨナラしなければいけない。そして、再生可能なエネルギー分野の開発に強力に取り組まなければならない」と述べ、国民投票の開票を待たず、早々と敗北を宣言した。投票の結果が発表されると、ローマの広場を埋め尽くす人々からは、歓声が上がった。日本時間13日夜に締め切られた原子力発電再開の是非を問う国民投票は、すでにおよそ57%の投票率で成立した。9割以上が原発に反対票を投じ、脱原発は必至の情勢となっている。イタリア国民は、「素晴らしい勝利だ。ただし、事態をゆっくりと静観したい。始まったばかりなので、これからが重要だ」と話した。イタリアは、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故を契機に、1987年の国民投票で原発の全廃を選択し、今、稼働中の原発はない。しかし、2008年に誕生したベルルスコーニ政権は、石油価格高騰などを理由に、原子炉10基の新設など、原発再開に動き出した。投票前の調査では、原発推進派が過半数を占めていたとされていたが、「日本のフクシマ」で世論は一転、反原発に動いた。ドイツに続き、脱原発へ動き出したイタリアだが、イタリアは電力の一部を原発大国フランスから輸入するなど、国外の原発に頼る矛盾も抱えている。