松本復興担当相が3日、岩手・宮城の両県を訪れた際、知事に対して「知恵を出さないやつは助けない」などと発言したことに対し、野党側は強く反発するなど波紋が広がっている。一方、松本復興担当相は4日、記者団に「結果として被災者を傷つけたなら、おわびしたい」と述べたが、辞任は否定した。3日、岩手県庁で行われた達増知事との会談で、松本復興担当相は「知恵を出したところは助けますけど、知恵を出さないやつは助けない。そのくらいの気持ちを持って」、「九州の人間だから、東北の何市がどこの県とか、わからんのだ」などと述べた。また宮城県では、会談を行う部屋に村井知事があとから入ったことなどから、「県でコンセンサス得ろよ。そうしないと、われわれ何もしないぞ」、「お客さんが来る時は、自分が入ってから、お客さんを呼べ。いいか、長幼の序がわかっている自衛隊なら、そんなことやるぞ。わかった? しっかりやれよ」などと述べた。松本復興担当相の一連の発言に対し、野党側は強く反発している。自民党の大島副総裁は、「誠に遺憾だなと。上から目線の発言は、よくありません」と述べた。公明党の山口代表は、「言葉遣いからして、命令口調であるということは言語道断ですね。とんでもない勘違いをされているのではないでしょうか」と語った。また、4日に行われた民主・自民・公明3党の幹事長の会談でも、野党側から「被災地の気持ちをまったく理解しない。無神経極まりない」などと批判が相次いだ。これに対し、民主党の岡田幹事長は、「本人に言っておく」と答えたうえで、会談後、松本復興担当相に電話し、「謙虚にやってほしい」と注意した。民主党の岡田幹事長は、「被災者の皆さんから見ると、やや違和感を感じる発言なのかなというふうに思っております」と述べた。自民党の石原幹事長は、「しっかりと釈明をするか、釈明するつもりがないんだったら」、「お辞めになるしかないんじゃないですか」と語った。一方、松本復興担当相は4日午後、記者団に対し、「結果として、被災者の皆さんを傷つけたということがあれば、おわび申し上げたい」と陳謝したうえで、「このまま、まっすぐ前を向いて復興にあたっていく」と述べ、辞任を否定した。