鹿野農林水産相は19日、長崎県で諫早湾干拓事業の排水門を開けて調査を行った場合の環境アセスメントの素案を説明した。鹿野農水相は「(地元と)決して対立するのではなく、話し合いを重ねていきたい。良い解決の道が開けるように考えている」と述べた。鹿野農水相は19日、長崎県を訪れ、開門調査を行った場合の環境アセスメントの素案を長崎県の中村知事などに説明した。諫早湾干拓事業の排水門の開放をめぐっては、5年間の常時開門を命じる福岡高裁判決が確定している。6月10日に公表された環境アセスメントの素案では、「初めから開門する」、「段階的に開門し全開する」、「水位や流速を制限し開門する」という3つのケースを想定しているが、いずれの場合も漁業や農業に影響すると指摘されている。中村法道長崎県知事は「(アセスでは)有明海全体の環境改善につながってこないと。なぜ、開門する必要があるのだろうかという、最も根本的な疑問を新たにしている」と述べた。これに対し鹿野農水相は、「地元と話し合い、今後、具体的な対策を示したい」と述べた。