政府は7月1日、この夏の最大使用電力を15%削減するよう求める電力使用制限令を発動します。消費電力の削減にどう取り組むのか、各企業を取材しました。暑い夏に欠かせない冷たい飲み物。飲料業界では、自動販売機の冷却を輪番で止めるための設定が、急ピッチで進められている。コカ・コーラでは、設置場所ごとにグループ分けして、「輪番冷却」をすることによって、使用電力を3割程度削減(前年比)できるとしているが、気になるのは、きちんと冷えているかという点。東京・新宿区で、冷却機能が停止された状態の自動販売機で水を買ってみると、かなり冷えた状態が保たれていた。購入者が多い時間帯を避け、なるべく商品を冷えた状態で提供できるよう、工夫しているという。また昭和シェル石油は、全国で200カ所を超えるガソリンスタンドに、太陽光パネルを設置する作業を進めている。全部あわせると、一般家庭およそ300戸分に相当する発電ができるという。一方、群馬・太田市の富士重工業株式会社 群馬製作所矢島工場では、午前9時、普段であればおよそ1,300人が作業をしている時間帯ということだが、機械は停止し、工場内に人影はなかった。自動車メーカー14社は、7月から9月にかけ、全国の工場の休日を木曜日と金曜日とし、代わりに土・日に工場を稼働させる予定。このうち、東京電力管内では、自動車メーカーや部品メーカーなど43社が、「休日シフト」などによる対策を行い、ピーク時の電力使用量を15%カットする。しかし、自動車業界は、東日本大震災で打撃を受けた生産が見通しより早く回復しており、これまでの節電対策を見直す動きも出ている。自動車業界をはじめ、各企業は今後、生産と節電をどう両立させるかが課題となる。