羽田空港（東京都大田区）で１１日、４本目の滑走路（Ｄ滑走路、２５００メートル）の完成を記念したイベントがあった。新滑走路の供用開始は１０月２１日。地元住民や航空関係者らがリレーや歩き初めをして、安全運航と地域振興を誓った。　国土交通省や航空会社などでつくる実行委員会が企画した「空の日フェスティバル２０１０」の一環。国交省によると、滑走路上では通常イベントは許可されないが、国内線と国際線の拠点を併せ持つ「ハブ空港」としての期待が高まっているため、開業前の特例で、盛り込んだという。　リレーには地元の大田区内の小中高校生や航空会社の整備士ら約９０人が参加。Ｄ滑走路の周囲約１．５キロを手作りのトーチを掲げて走った。「安全について全員が考える空港になって」「２４時間動く空港なので騒音のない飛行機ができるといいな」といった羽田への思いをつづった子どもたちの作文が披露された。　その後、事前に申し込んだ家族連れらがＤ滑走路を歩き初め。世界でも３番目という埋め立てと桟橋の複合構造の滑走路を踏みしめ、記念写真を撮るなどして楽しんだ。　フェスティバルは１２日まで。１２日は、日本航空が日本初のジェット機として１９６０年に導入したＤＣ８「富士号」の機首部分を新国際線ターミナル駐機場で公開するほか、空港や大田区内で様々な催しが予定されている。　Ｄ滑走路は総工費５９８５億円をかけて整備された。滑走路が増えることで、年間発着枠は現在の３０．３万回から段階的に４４．７万回に拡大する。国際線枠は現行の１．２万回から９万回になり、今は北京やソウルなど東アジア４都市に限られている国際線網は、明らかになっているだけでもニューヨークやパリなど１５都市に広がる見込み。（小林誠一）（動画＝空の日フェスティバル　ジャンボ機と綱引き、安冨良弘撮影）