菅首相の来年(2012年)1月ごろまで政権を担うとの意欲に対し、民主党内の反発が広がっている。菅首相の2日夜の事実上の続投宣言に対し、鳩山前首相は3日朝、あらためて怒りをあらわにし、早期退陣を求めるなど、民主党内の対立は、不信任案が否決されたにもかかわらず、深刻化している。3日午前9時半すぎ、鳩山前首相は「口できちっと約束したことを守る。当たり前の話です。それができなければペテン師です。そんな詐欺師まがいのことを、私は総理がやるとは思っていません。不信任案が否決されたら、突然言葉をひっくり返して、そんなこと言った覚えがないみたいな話になったら、そういう人間だとすれば、不信任案に賛成しておくべきだったと思います。当然、2つの確認事項が守られたら辞めていただくと。辞任するということが、少なくとも2人の間の確認です。それを守らないというのであれば、当然、それなりの処置を断固として取っていくしかない」と述べ、早期退陣に踏み切らない場合、党の両院議員総会を開催して、その場で辞任を求める考えを示した。また、小沢元代表に近い議員も、「許せない。菅政権は死んだと同じだ」、「あんな奴らのことを支えたくない」などと述べ、菅首相の早期退陣に向けて戦う姿勢を示しているが、鳩山前首相がだまされただけだとの、冷ややかな声も上がっている。一方、菅首相は、不信任案の否決後、周辺に「おれは辞めるつもりはない」と話していたということで、周辺も、2日の代議士会での発言は、そもそも辞任の表明ではないとしており、鳩山前首相の主張する約束の内容を否定している。一方、不信任案への造反に向け、辞表を提出していた小沢氏に近い副大臣・政務官のうち4人は、3日、首相官邸に呼ばれ、それぞれ続投することとなった。今後の菅政権については、輿石参議院議員会長や石井選対委員長らが、菅首相は早期に退陣すべきとの考えを示していて、参議院側が、菅首相に退陣を迫る展開も想定される。3日午後には、菅首相が出席し、参議院の予算委員会が開かれるが、菅首相から国民に納得のいく説明があるか注目される。