菅内閣に対する内閣不信任決議案が、1日にも提出される見通しとなっている。不信任決議案を可決させるためには、衆議院の過半数である240票が必要。社民党が反対した場合、最大81人が民主党から造反する必要がある。31日の時点で、民主党内から不信任決議案に同調する、つまり造反する議員は、およそ50人と現時点ではみられている。造反議員が今後増える要素としては、2つほどある。小沢元代表が号令をかけることで、これまで迷っていた議員が覚悟を決めることが1つで、1日も覚悟を固めるための集会が予定されている。そしてもう1つが、態度をまだ明らかにしていない鳩山前首相のグループの動向で、31日午後から鳩山氏の事務所で幹部が集まり、1時間以上にわたり対応を協議している。ただ、「自分は反対する」と明言して事務所に入る議員もおり、1枚岩で同調することは困難で、執行部側も、安住国対委員長が、中間派が求めている国会会期の延長に言及したり、ポストを具体的に提示して説得工作も行われていて、現時点では成立は難しいのではないかとみられる。否決された場合、菅首相は「信任された」として、野党に対し、強気の国会運営に出るとみられるが、参議院のねじれ状態はまったく変わらない。そして、造反した議員が仮に離党、そして新党結成となれば、議席数も減り、政権基盤そのものが弱体化するということで、決して楽な道が待ち構えているわけではない。