福島第1原発の事故発生から3カ月余りがたったが、大量の汚染水などが作業の妨げとなり、収束のめどは立っていない。増え続ける汚染水や高い放射線量といった難問が山積する中、作業員の安全を確保しながら、いかに確実な対応策を打ち出せるかが、今後の焦点となる。消防ポンプや自衛隊のヘリを投入していた事故当初を考えると、現在、原子炉の状況は比較的安定し、3カ月で1歩ずつ作業は前進している。しかし、実態が明らかになるにつれ、困難な問題も浮き彫りになっている。原子炉に注水しても、炉心溶融で損傷したとみられる圧力容器から高濃度の汚染水が漏れ出していて、処理問題が当面の最大の課題となる。東京電力は、浄化システムを今週中に稼働させ、一定のめどをつける方針だが、ここ数日トラブル続きで、さらに遅れる懸念もある。高い放射線量の対策をどう進めるかも焦点で、特に、作業の進捗(しんちょく)が最も遅れている3号機では、ほぼ手つかずの状態となっている。また最近、熱中症など体調不良を訴える作業員も続出し、夏場に向けた作業員の安全確保も、今後の大きな問題点で、こうした山積する課題をどのように克服するか、真摯(しんし)な説明が求められる。