東日本大震災の被災地、宮城・南三陸町で10日、津波で被災して休園していた保育所が再開し、4月に行われるはずだった入所式が、2カ月遅れて行われた。まだがれきが残る南三陸町の高台に建つ伊里前保育所に、保護者などとともに、子どもたちが元気にやって来た。伊里前保育所では10日、2カ月遅れての入所の日を迎えた。入所した子どもは「(保育所ではどんなことが楽しみ?)滑り台!」と答えた。6月7日、職員たちは、入所式の準備に追われていた。南三陸町には震災前、5つの保育所があったが、そのうち2つが津波に流されて再建を断念し、残った保育所も、津波が保育所の中にまで押し寄せた。伊里前保育所の黒板には、3月11日に行われていた「お別れ会」の様子がそのまま残っていた。伊里前保育所の小竹 ひろ子所長は、「本当に子どもたちがみんな無事で、避難できたことが一番よかったなと思って」と話した。入所予定だった子どもは、65人から53人に減ったが、震災発生から3カ月を前に、南三陸町の保育所に元気な子どもたちの声が戻った。