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私たちの濃密ワーク ミツバチ(和歌山県)
5月なかば。白み始めた空の下、ミツバチたちが巣箱の入り口から次々と飛び立った。ミカンの花々をめざして、およそ2キロ四方まで飛んでいく。巣箱のまわりは、低い機械音のような数十万匹の羽音で満たされた。 約150戸が養蜂にたずさわる「養蜂王国」の和歌山県。みなべ町の山本承弘(つぐひろ)さん(62)は、養蜂の仕事にたずさわって半世紀になる。山あいなど8カ所に計260個の巣箱を置く。 1箱には約3万匹のミツバチ。1匹の女王バチと、数%の雄バチをのぞけば、大半は雌の働きバチだ。 働きバチは、花と巣箱を1日25往復ほどする。ほかに、巣箱の掃除、幼虫の世話、門番など、30〜90日の寿命の間、女王バチのために必死に働く。「けなげな姿を見ていると、本当に頭が下がる」と山本さん。一方の雄バチは交尾以外「のうのうと暮らしている」。だが、交尾できるのは一部だけで、その後は力尽きて死ぬのだそうだ。 今月13日早朝、山本さんは今年初めて、ミツバチたちが集めてきた蜜を巣箱から取り出した。巣板を遠心分離器にかけると、下からトロリとしたハチミツが出てきた。指ですくってなめると、少しの酸味とさわやかな甘さが口のなかに広がった。 ミツバチが採ってきた当初はもっと水っぽいという。濃密さの秘密は、別の音にあった。■甘さのヒミツ 羽ばたきにあり 「夜、箱がうなるんや」 山本承弘(つぐひろ)さんはそう教えてくれた。働きバチが羽をいっせいにはばたかせ、巣箱の中の温度を一定に保つのだ。それで蜜の水分が蒸発し、初めは十数度だった糖度が、70〜80度にまで上がるという。 巣箱に耳を近づけると、振動音が伝わってきた。気温や湿度が高く、蜜が多いほど、羽ばたき音は大きくなるという。山本さんは「今年は天候不順のせいか、ミカンの花に勢いがない。ハチも働きようがないなあ」とため息をついた。 6月、ミカンの花が終わるとハチたちは北海道に移動する。11月までアカシア、クローバー、アザミなどの蜜を採る。また長い旅が始まる。 ◇ 日本で養蜂や花粉交配に使われるのは、主に明治時代初めごろに輸入されたセイヨウミツバチだ。在来種のニホンミツバチより、集める蜜の量がかなり多い。そのセイヨウミツバチがいま、危機に直面している。 自然環境の変化で蜜源となる植物が減少しているほか、原因のはっきりしない大量死も相次ぐ。女王バチの大半を輸入して...
Video Length: 63
Date Found: July 27, 2010
Date Produced: October 05, 2022
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