コーヒーの高騰が続くほか、食用油に関しては、食用油大手「J-オイルミルズ」が4月からの再値上げを発表した。こうした中、東京・上野の百貨店では「値上げを前に買いだめを」と、「理由(わけ)あり食品セール」が始まった。理由あり食品セールが始まった東京・台東区の松坂屋上野店は、多くの客でにぎわった。セールでは、正月用品やバレンタインギフトなど数々の「理由あり食品」が、最大60%オフになった。中でも、値上げラッシュの続くコーヒーと食用油に人気が殺到し、次から次へと箱買いする人が続出する争奪戦になった。買い物客は、「(安い時にため買いを?)そうです。あります、もちろん!」、「これから上がるじゃない。コーヒーと油。買いだめ」、「コーヒーと油(を箱買い)。4月から値上げするみたいなので、買い置きしておこうかなと思って」と話した。このセールは、値上げ前の大量仕入れで実現したという。松坂屋上野店食品バイヤーの上妻正直さんは「値上げ前に、しっかり家庭で在庫を持っていただければ、値上げ対策にもつながるのではないかと」と語った。コーヒー豆の国際相場が天井知らずの高騰を見せ、食用油にいたっては、食用油大手「J-オイルミルズ」が、1月に続き、4月からの再値上げを発表した。家庭用食用油で、1kgあたり30円以上、さらに業務用は、一斗缶あたり500円以上、出荷価格を値上げするという。J-オイルミルズの松居伸一取締役は「考え得る、すべてのコストダウンや経費削減に取り組んでいる。やはり新興国、中国を中心とした国々の需要が大幅に拡大している。4月以降、今の価格では安定供給できない、原料が買えないというような事態に至った」と語った。中国など新興国での需要拡大などを背景に、世界的に大豆などの穀物の価格が高騰。食用油の大手各社も、同様の値上げを検討するなど、値上げの波は止まらない。東京・江東区の砂町銀座商店街にある「増英蒲鉾(かまぼこ)店」の中島行利店主は「買わないわけにはいかないし、使わないってこともできないし。しょうがないよね。とれないものはしょうがない」と話した。街の主婦は「(値上げの対策は?)きれいな油は、揚げ物をしたやつをもう1回使ったりという形はしている」と話した。農林水産省は、国内の食料の安定供給のために、国際価格などに関する情報収集などを行う対策本部を新たに設置した。しかし、今後の動向について、J-オイルミルズの松居取締役...