菅首相が今週行った内閣の人事に対し、30日に開かれた民主党の議員グループの会合で、菅首相を支えてきた立場の議員から批判が相次いだ。前原前外相のグループの会合では、自民党の浜田和幸参議院議員を一本釣りし、政務官に起用したことについて、仙谷官房副長官が「あんな人事をしたら、与野党交渉の妨げになる。政権の信頼にかかわる」などと、厳しく批判した。ほかの出席者からも、菅首相の人事への批判が相次ぎ、出席していた枝野官房長官は、「墓場まで持っていかなきゃならない話がある」と釈明し、その後の記者会見で、「仙谷副長官の場合は、副長官という内閣の立場と、党の代表代行という二枚看板でやっていただいておりますので、そうした意味ではお立場も大変苦しい。厳しいご意見があるということについては、真摯(しんし)に謙虚に受け止めなければいけないというふうに思っております」と述べた。また、野田財務相のグループの会合でも、野田財務相が「菅総理は、野党とのチキンレースをやろうとしている。考え方が違う」と、浜田政務官の引き抜きが野党の反発を招いたことを批判したほか、グループの一員である蓮舫議員が行政刷新担当相を退任した人事についても、批判的な声が出た。