豚肉を牛肉のように見せる添加物が出回るなど、食品の偽装が相次いでいる中国で、また新たな偽物が出回っている。中華料理の中でも人気なのが、フカヒレやアワビといった高級料理。さらに中国では、ナマコも高級料理として食されているという。フカヒレとアワビに続く中華料理の高級食材が、ナマコ。北京市民は「ナマコは高級料理よ。友人が来た時に(食卓に)出すと、喜ばれるわ」と話した。そのナマコの偽物が、またまた中国で出回っている。さまざまな食品偽装が問題になる中、なぜ今、偽物のナマコなのか。その背景には、日本の原発事故もある。中国では高級食材のナマコは、横浜中華街の菜香新館では、乾燥したナマコを戻し、1週間ほど手間暇かけて味つけをした「ナマコのしょうゆ煮」が人気となっている。値段は、3,900円となっている。菜香新館の熊沢孝信さんは、「(ナマコは)滋養強壮にいいとされて、ほかのものでは、なかなか味わえない食感がありますね。こういったものが人気の秘密」と話した。本場・中国では今、豚肉を牛肉のように見せかける食品添加物や火鍋の辛味を増すエキスなど、偽装食品が問題になっている。カニやアサリが並ぶ北京の市場を訪ねると、そこで新たに見つけたのは、偽ナマコだった。10個入りのものが日本円で、およそ1,050円と格安になっている。本物と比べてみると、偽物の方が色や形が不自然に見える。切ってみると、偽物の方は中に空洞があり、まるでちくわのようだった。偽ナマコで、中華風炒めを作ってみた。その味は本物と比べると、物足りなさを感じた。偽ナマコの正体について、偽ナマコを販売している店は、「イカのすり身と食用接着剤などでつくりました」、「(食べたけど)何の問題もなく、おいしかったよ」、「(どんな人が買う?)いろんな人が買うけど、食堂の人が使ってるよ」と話した。なぜ、こうした偽物が出回るのか。2011年3月に訪ねた際、市場には、大量の本物のナマコが並び、中には日本産の文字も見られた。3月、北京では、日本産の干しナマコを1kg = 13万円で取引していた。日本産ナマコを扱う店は、「(日本産ナマコは)味が濃いんだよ」と話していた。実は中国では、数年間でナマコの生産量が3倍になるなど、急速な需要の高まりがあった。乾燥ナマコを輸出する与助丸商店は、「(日本産ナマコの)値段は毎年毎年、約20%ですかね、着実に上がっています。日本で作っているものは、添加物とか...