松本 龍復興担当相の後任に、5日午後、平野達男内閣府副大臣が内定したが、決定までには、さまざまな紆余(うよ)曲折があった。松本氏の後任には、復興担当の平野内閣府副大臣が内定したが、菅首相は、5日朝から数人に後任を打診し拒否されるなど、人事は難航した。平野氏は5日午後4時すぎに、首相官邸で菅首相から正式に復興担当相の就任を要請され、受諾した。菅首相は、松本復興担当相の辞表を受け取ったあと、仙谷官房副長官に後任を最初打診したが、仙谷氏は、これを拒否した。そのあと、最近、菅首相批判を強めている安住国対委員長にも打診して、こちらも拒否された。こうした中、亀井首相補佐官の名前も一時浮上するなど、後任人事の調整は難航し、結局、復興対策の継続性を名目に、最後の「保険」として検討されていた平野副大臣の昇格という選択肢しか残らなかった形。民主党内には、松本氏は、確信犯的に自ら辞任して、菅首相に退陣を促したかったのではとの見方があり、後任人事がたらい回しにされた異常な事態は、まさに政権のレームダック化を象徴しているといえる。松本氏は、6月の段階から、「菅首相がどれだけ続けるのか」という質問に対し、6月中だろうという見方を示していた。すでに6月を超えて7月に入ったということで、「この政権はあまり長続きすべきでない」という考えが、松本氏の頭の中には常にあったとみられる。