高速道路の休日上限1,000円料金や無料化実験について、国土交通省は、6月19日で廃止すると発表した。震災復興財源を確保するためだが、マイカー客減少の見込みに、悲鳴を上げる観光地もある。復旧・復興に向けた動脈となっている、被災地への高速道路。国土交通省は6月20日から、東日本大震災の被災者を対象に、高速料金を無料にすると発表した。被災者は、「ありがたいですね。電車も全部、バスも全部ないので、今、車だけが頼りなので...」、「やっぱり助かりますね。家も流出して、なくなってますから」と話した。無料化されるのは、東北地方の高速道路と常磐道の一部で、自治体が発行する罹災(りさい)証明書や被災証明書などを乗り降りする際に提示すれば、全車種で無料になる。また、被災者以外でも、トラックなど中型車以上に限り、対象区間は無料になる。これにともない、19日いっぱいで廃止となるのが、高速道路の休日上限1,000円割引。聖徳太子や夏目漱石など、偉人ゆかりの地として名高い愛媛・松山市の道後温泉では、2009年の割引開始以来、本州からの観光客が増加し、本州と四国をつなぐ「瀬戸内しまなみ海道」は、1日あたりの通行料がおよそ4割も増加した。しかし、この「1,000円割引特需」も、残すところあとわずかとなった。岡山県から来た観光客は「今まで、安く土日は遊んでたのに、ちょっとショックですよね」と話した。広島県から来た観光客は「(来るのは)あきらめますね。ちょっと、きついですね」と話した。割引廃止以降は、普通車の場合、片道4,700円(西瀬戸尾道 - 今治)という通行料金に戻り、「陸の孤島化」が懸念される。道後温泉街の土産物店は「やっぱり、ちょっと痛いですね。高速道路1,000円のおかげで、やっぱり観光客が少し増えていたというのもあるので」と話した。道後温泉街のだんご店は「被災地の方に、お金を回してあげないといけないですから、そのへんは、痛み分けしないといけないかなと思ってます」と話した。道後温泉本館の担当者は「節分の(季節に多い)企業研修なども強化しておりますので。まさに、ここに力を入れて頑張っていきたいと思います」と話した。1,000円割引廃止のほか、一部区間無料化の社会実験も、1日に凍結が決定した。一方、東北地方の高速道路無料化は、今後、予算が確保されれば、被災者以外が乗る全車種にも拡大する予定だという。民主党の高速道路無料化へ向けた政策は、震災...