退陣時期が焦点となっている菅首相は、第2次補正予算案編成への意気込みを強調し、続投への意欲を示している。一方、政府与党内からは、「延命にすぎない」と異論も出ており、野党との協議などで退陣への環境整備を探る動きが出ている。「もはや菅首相以外、周囲はみな退陣を望んでいる」とまでいわれる状況でも、菅首相は、被災者の二重債務対策など、続投への布石を次々に繰り出している。菅首相は17日午前8時すぎ、「二重債務問題が、きちっと乗り越えられるように、さらなる努力をお願いしたい」と述べた。菅首相が関係閣僚を前に強い意気込みを示す二重債務対策を含む第2次補正予算案は、7月15日に国会に提出する方向で調整が進んでいるが、あまりに唐突だった2次補正編成の指示には、内閣の中からも異論が出ている。桜井財務副大臣は17日午前10時前、「ものすごい憤りを感じているんです。とにかく突然なんですよ、とにかく突然。そして、期限を区切られてやると。これって普通のやり方なんでしょうか」と述べた。一方、民主党は、焦点の特例公債法案成立へ向け、野党が条件としている子ども手当見直しなどについて、16日に引き続き、自民・公明両党との協議に臨んだ。自民党は、所得制限の導入を譲らず、さらに、マニフェスト撤回を明確に有権者に説明するよう主張し、再び協議することとなった。民主党は、今後の協議次第で、「所得制限」の容認に転じる方向で、菅首相退陣への環境整備が進んでいる。こうした中、民主党は自民党に対し、22日までの国会会期の延長を求めるため、週明けの20日に与野党幹事長会談を開くよう申し入れたという。