2011年度の税制改正をめぐり、経済産業省は政府税制調査会の会合で、法人税の5%の引き下げをあらためて求め、およそ5,000億円の財源案を提示した。しかし財務省は、額がまったく足りないと主張し、議論は平行線に終わった。尾立財務政務官は「これ以上の積み増しがお願いできるかどうか、また、(積み増しを)していただけるお気持ちがあるのかどうか」と述べた。これに対し、池田経産副大臣は「法人税の引き下げの本旨を、よく考えていただいてですね。100%財源をいうのではなくて、全体を見ていただきたいと」と述べた。会合で経産省は、法人税を引き下げれば、経済成長により将来的な税収増が期待できるとして、あらためて法人税の実質的な5%減税を求めた。また経産省は、企業への優遇措置を一部縮減することなどで、およそ5,000億円を捻出(ねんしゅつ)する財源案を提示したうえで、経済界とも調整し、さらに上積みを目指す考えを示した。しかし財務省側は、引き下げには1兆数千億円の財源が必要になると述べ、議論は平行線に終わった。9日以降も、政府内で財源の調整が続けられるが、財務省と経産省の主張の隔たりは大きく、最終的には、菅首相による政治決着になるものとみられている。